トマ・ピケティ氏が唱えた「r>g」とは
経済学者トマ・ピケティ著『21世紀の資本』の主張は「資本主義の富の不均衡は放置しておいても解決できずに格差は広がる。
格差の解消のために、なんらかの干渉を必要とする」というもの。
それを証明しているものが、「r>g」という不等式。
「r」は資本収益率を示し、「g」は経済成長率を示しています。
「r」の資本収益率は「年5%程」であるが、「g」の経済成長率は年1~2%程であると指摘。
そのため、「r>g」という不等式が成り立つということです。
この不等式が意味することは、「r」資本(資産)によって得られる富は、「g」労働によって得られる富よりも成長が早いということです。
資産家はより裕福になり、労働でしか収入が得られない労働者は相対的にいつまでも裕福にはなれないということであり、その格差は広がっていくということです。
つまり、「資本主義社会は格差が拡大するようにデザインされている」と主張しているのです。
「r>g」の活かし方
資本主義社会(格差社会)で生きる私たちは、この「r>g」という現実を理解し、何かしら対策を取らないといけないということです。
単純に考えれば、負け組にならないために、労働者も株式投資や不動産投資を始めて「r」側に立たなければいけないということになります。
では、資産運用するための原資がないという人はどうすればいいのか。
トマ・ピケティは、原資を作るヒントも用意してくれています。
それは、資産の定義を広げ、知的財産を含めたあらゆる資産を活用して収益化するというものです。
例えば、知識・経験・キャリア・ノウハウ・人脈など、自分の価値を高めてくれるものを資産と捉え、それらを活用し、昇給速度を速めたり、サイドビジネスで本業以外の収入源を持つということです。
つまり、自分自身も資産の一つだと捉えることが重要です。
このような考え方ができれば、スキルアップなどの自己投資の重要性も理解できると思います。
「r」(資本収益率)意識することが重要
このように「r>g」を理解し、資産(資本)の捉え方が変わると、お金や時間の使い方についても効率性を求める意識が生まれてくるはずです。
自分自身の資産価値を高める自己投資や交友関係の見直しを行うなど、より効果的なお金や時間の使い方を考えることでしょう。
もちろん無駄を省く節約なども大切です。
その結果、収入が増え、支出を減らし、貯蓄を行えるようになれば、資産運用を行う原資が用意できるということです。
そうすれば、いずれ「r」側に立てるようになるはずです。
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