FXで資産運用を行うにあたり、最も重要なことが資金管理。
トラリピでは、この資金管理が命といえる運用方法なのでしっかりと理解することが重要です。
その資金管理を行うにあたり、とても重要な指標となるのが「証拠金維持率」。
ロスカットレートさえ決めてしまえば大丈夫なのでは?
トラリピ運用試算表を使えば自動で算出してくれるよね?
という意見もあるとは思いますが、資金効率を考えた運用をする場合、資金管理とのバランスを取った資産運用が必要となってきますし、複数の通貨ペアを運用する場合も資金管理が複雑になります。
また、トラリピ運用試算表で表示される「必要証拠金」、実は2つ存在しています。
その2つの「必要証拠金」では何が違うのか、計算方法なども含めて理解しておきたいところです。
「必要証拠金」はロスカットレートや証拠金維持率を計算するためにとても重要な指標です。
自身の運用資金を守るために、トラリピ運用試算表の各項目をしっかり理解しておきましょう。
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資金管理に必要となる各指標を理解しておこう
証拠金維持率
保有しているポジションが、口座残高に対してどれくらい余裕があるのかを測る割合のこと。
ロスカットの基準となる重要な指標。
トラリピでは、100%を切ると自動的にロスカットされる。
証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金
有効証拠金
有効証拠金とは、FX会社に預け入れている証拠金に保有しているポジションの為替差益を加えたり、為替差損を差し引いた証拠金のこと。
保有しているポジションが含み益の場合は有効証拠金は大きくなり、含み損の場合は有効証拠金は小さくなる。
有効証拠金 = 運用資金 ± 為替損益
含み益の場合:口座資金(1,000,000円) + 含み益(100,000円) = 有効証拠金(1,100,000円)
含み損の場合:口座資金(1,000,000円) – 含み損(100,000円) = 有効証拠金(900,000円)
必要証拠金
必要証拠金とは、FXの取引を行うために最低限必要となる証拠金のこと。
FX口座に最低限預け入れなければならない証拠金となります。
必要証拠金 = 為替レート × 取引通貨量 × 証拠金率(4%)
または
必要証拠金 = 為替レート × 取引通貨量 ÷ レバレッジ(25倍)
「証拠金率4%」とは「レバレッジ25倍」のこと。
日本国内のFX取引では、個人の場合、最大レバレッジは25倍と金融庁により定められています。
そのため、ドル円(USDJPY)を下記の条件で取引を行うとすると、
為替レート:1ドル=100円、取引通貨量:10,000ドル(100万円)
100 × 10,000 × 4% = 40,000円
100 × 10,000 ÷ 25 = 40,000円
必要証拠金は40,000円となります。
つまり、4万円あれば100万円分の取引が可能となります。
注意. 実際に4万円の入金で取引を行うと、すぐにロスカットされるので危険です。
なので、通常はロスカットレートを遠ざけるために、必要証拠金より多くの運用資金を入金して取引を行います。
理論的には、取引額と同等の金額を入金していれば、レバレッジ1倍となるのでロスカットされません。
トラリピの必要証拠金を理解する
まずは、「トラリピ運用試算表」で「必要証拠金」を確認していきましょう。
トラリピ運用試算表では2つの必要証拠金が表示されています。
金額もそれぞれ違いますね。
では、この2つの必要証拠金は何を意味し、何が違うのでしょうか?
- 「発注証拠金」(固定型)
- 「すべて成立時の証拠金」(リアルタイム変動型)
これには、2019年に行われたマネースクエアのシステムリニューアルが関係しています。
リニューアル以前のルールでは、必要証拠金の計算方法は「固定型」だったのが、リニューアル後は、「リアルタイム変動型」へと変更となりました。
これにより、買ポジションの場合は、従来の固定型より必要証拠金は少なくなりますが、売ポジション場合は必要証拠金が多くなります。
必要証拠金の計算方法
まずは、今回、試算する例を挙げておきます。
通貨ペア | 加ドル円 |
買い/売り | 買い |
運用資金 | 1,000,000円 |
レンジ上限 | 90.0 |
レンジ下限 | 70.0 |
トラップ本数 | 51 |
1本あたりの通貨量 | 0.1万通貨 |
トラップ値幅 | 0.400 |
上記の内容を「トラリピ運用試算表」でシミュレーションした結果がこちらです。
では、上記のシミュレーション結果をもとに、「発注証拠金(固定型)」と「すべて成立時の証拠金(リアルタイム変動型)」、それぞれの計算方法を解説していきます。
- 「発注証拠金(固定型)」= トラップ毎の必要証拠金の合計
- トラップ毎の「必要証拠金」= (為替レート × 取引通貨量) × 証拠金率(4%)
- 「すべて成立時の証拠金(リアルタイム変動型)」= 下限レート × 合計ポジション数 × 証拠金率(4%)
「発注証拠金(固定型)」を今回の試算例で表すと、
まず、トラップ毎に必要証拠金を算出する。
為替レート:90.0円 × 取引通貨量:1,000通貨 = 取引金額:90,000円
取引金額:90,000円 × 証拠金率:4% = 必要証拠金:3,600円
トラップ毎に算出できた必要証拠金をすべて合計すると、163,200円
「すべて成立時の証拠金(リアルタイム変動型)」を今回の試算例で表すと、
下限レート:70.0円 × 合計取引通貨量:51,000円 × 証拠金率(4%) = 必要証拠金:142,800円
マネースクエアの新ルールでは、「証拠金維持率」や「ロスカットレート」の計算には、「リアルタイム変動型」で計算される「必要証拠金」が使われるようになっております。
トラリピの資金管理を行う際は、間違わないよう注意しましょう。
トラリピの有効証拠金の計算
次に「有効証拠金」ですが、こちらは簡単です。
有効証拠金の計算方法はこちらでしたね。
有効証拠金 = 運用資金 ± 為替損益
今回の試算例で表すと、「運用資金:1,000,000円 − 含み損:510,000円 = 有効証拠金:490,000円」となります。
トラリピの証拠金維持率の計算
上述の算出結果をもとに「証拠金維持率」を計算してみましょう。
証拠金維持率の計算方法はこちらでしたね。
証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金
必要証拠金は142,800円、有効証拠金は490,000円でしたから、
証拠金維持率 = 490,000円 ÷ 142,800円 = 343.13%
トラリピ運用試算表のシミュレーション結果とばっちり合いました。
まとめ
トラリピ運用試算表は、簡単な入力でシミュレーションしてくれるため、運用戦略を考える上でとても重宝するありがたい機能です。
マネースクエアのルールやトラリピ運用試算表の各項目を理解することは、運用資金を守るためにとても重要です。
また、資金効率を考えた運用戦略や複数の通貨ペアを運用する場合などは、理解を深めて活用したいですね。
今回、解説いたしました「証拠金維持率」「有効証拠金」「必要証拠金」この3つを活用することで、資産運用する上で最高の武器にも盾にもなります。
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